IPアドレスとは何か
IPアドレスが通信相手へ届くための宛先情報であり、外部から見える手がかりにもなることを学びます。
Webサイトへアクセスするとき、通信には「どこへデータを送るのか」という宛先情報が必要です。 宛先が分からなければ、データは目的の相手に届きません。
その宛先を判断するために使われる重要な情報が、IPアドレスです。
IPアドレスは、ネットワーク上で通信相手を見つけるための番号です。 Webサイトが置かれているサーバーにもIPアドレスがあり、あなたの通信にも外部から見えるIPアドレスがあります。
匿名性を考えるうえでも、IPアドレスは非常に重要です。 IPアドレスは個人名そのものではありません。 しかし、Webサイト側や通信事業者側で、通信元を考えるための強い手がかりになる場合があります。
なぜ通信には宛先が必要なのか
通信では、データをただ外へ流しているわけではありません。 データには、届けるべき相手が必要です。
Webサイトへアクセスするとき、あなたの端末はWebサイトのサーバーへリクエストを送ります。 このとき、通信先となるサーバーを判断するために、宛先の情報が使われます。
宛先が分からなければ、データはどこへ送ればよいのか判断できません。 そのため、ネットワーク通信では「送信元」と「宛先」の情報が重要になります。
IPアドレスとは何か
IPアドレスとは、ネットワーク上で通信相手を識別するための番号です。
Webサイト、サーバー、ルーター、PC、スマホなど、ネットワーク通信に関わる機器には、通信のためにIPアドレスが使われます。
Webサイトへアクセスするとき、最終的にはWebサイトが置かれているサーバーへ通信が届く必要があります。 そのサーバーにもIPアドレスがあります。
つまりIPアドレスは、インターネット上でデータを届けるための基本的な情報です。
送信元IPと宛先IP
通信には、基本的に「送信元」と「宛先」があります。
送信元IPは、どこから通信が来たのかを示す情報です。 宛先IPは、どこへ通信を届けるのかを示す情報です。
Webサイトへアクセスする場合、あなたの通信はWebサイトのサーバーへ向かいます。 このとき、サーバー側から見ると、通信には送信元のIPアドレスが含まれています。
また、サーバーがあなたへデータを返すときも、返送先が必要です。 通信は一方通行ではなく、リクエストとレスポンスのやり取りによって成立しています。
Webサイト側から見えるIPアドレス
Webサイトへアクセスすると、Webサイト側では、通信元のIPアドレスが見える場合があります。
ただし、ここで見えるIPアドレスは、必ずしもあなたの端末そのものに設定されているIPアドレスとは限りません。
家庭や職場では、PCやスマホに家庭内・組織内で使われるIPアドレスが割り当てられていることがあります。 一方で、Webサイトなど外部のサービスから見えるIPアドレスは、インターネット側で使われる別のIPアドレスになっている場合があります。
この違いを理解するために、入口として知っておきたいのが、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスです。
プライベートIPアドレスは、家庭内や組織内など、限られたネットワークの中で使われるIPアドレスです。 グローバルIPアドレスは、インターネット上で通信するときに外部から見えるIPアドレスです。
実際に、自分の外部から見えるIPアドレスを確認できるWebサイトもあります。 たとえば、IPinfoでは、現在使っているIPアドレスや、推定される地域、通信事業者、ネットワーク情報などを確認できます。
URL : https://ipinfo.io/what-is-my-ip
また、IPinfoには、IPアドレスを地図上に表示する機能もあります。 このようなサイトを見ると、IPアドレスが単なる番号ではなく、通信元のおおよその地域を推定する手がかりになることが分かります。
ただし、表示される位置情報はあくまで推定です。 IPアドレスから分かるのは、国、地域、都市、通信事業者などのおおよその情報であり、正確な住所や個人名がそのまま分かるわけではありません。
この仕組みの詳しい説明には、NATやルーターの動作が関係します。 ここでは、家庭内で見えているIPアドレスと、外部のWebサイトから見えるIPアドレスは違う場合がある、という点を押さえておけば十分です。
IPアドレスは個人名そのものではない
IPアドレスは、個人名そのものではありません。
IPアドレスを見ただけで、ただちに個人の名前や住所が分かるわけではありません。 また、IPアドレスは固定されている場合もあれば、時間や接続状況によって変わる場合もあります。
そのため、IPアドレスを「本人そのもの」と考えるのは正確ではありません。
ただし、IPアドレスは通信に関する重要な情報です。 どの回線から通信が行われた可能性があるのか、どの地域や通信事業者に関係する通信なのか、といった判断材料になる場合があります。
また、IPアドレスが分かると、通信元のおおよその地域や通信事業者が推定できる場合があります。 これは、IPアドレスがネットワーク上の割り当て情報と結びついているためです。
ただし、ここでも注意が必要です。 IPアドレスから分かるのは、基本的には「通信に使われた回線やネットワークに関する情報」です。 それだけで、画面の向こうにいる人物の名前が直接表示されるわけではありません。
それでも匿名性では重要な手がかりになる
匿名性を考えるとき、IPアドレスは非常に重要です。
なぜなら、Webサイトやサービスのログには、アクセス元のIPアドレスが記録される場合があるからです。 また、通信事業者側でも、どの契約回線にどのIPアドレスが割り当てられていたのか、通信に関する記録が扱われる場合があります。
IPアドレスだけで、ただちに個人の名前や住所が分かるわけではありません。 しかし、IPアドレス、接続時刻、通信事業者側の記録などが結びつくと、どの契約回線から通信が行われたのかを特定できる場合があります。
つまり、IPアドレスは「個人名そのもの」ではありません。 しかし、権限を持つ組織が通信事業者に記録の開示を求められる状況では、通信元をたどるための強い手がかりになります。
この点は、匿名性を考えるうえで非常に重要です。
世界には、国家権力が市民や弱い立場の人を監視し、弾圧する国もあります。 そのような環境では、IPアドレスの露出が、単なる技術的な問題ではなく、現実の安全に関わる問題になる場合があります。
匿名性を守るうえでは、「IPアドレスは自分そのものではないが、通信元を考えるうえで非常に重要な情報になる」と理解することが大切です。
まとめ
IPアドレスとは、ネットワーク上で通信相手を見つけるための番号です。
通信には送信元と宛先が必要です。 宛先が分からなければ、データは目的の相手に届きません。
Webサイトが置かれているサーバーにもIPアドレスがあります。 そして、あなたの通信にも外部から見えるIPアドレスがあります。
IPアドレスは個人名そのものではありません。 しかし、Webサイト側や通信事業者側で、通信元を考えるための重要な手がかりになる場合があります。
また、家庭内で使われるIPアドレスと、外部から見えるIPアドレスは違う場合があります。 この違いは、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを理解する入口になります。
さらに、IPアドレス、接続時刻、通信事業者側の記録が結びつくと、どの契約回線から通信が行われたのかをたどれる場合があります。 特に、国家による監視や弾圧が現実に存在する環境では、IPアドレスの露出は軽く考えるべきものではありません。
、、プロキシ、IPアドレス漏れ、WebRTC漏れなどを理解するには、まずIPアドレスの基本を知る必要があります。
匿名性を考えるとき、IPアドレスは「自分そのもの」ではありません。 しかし、通信元を考えるうえで非常に重要な情報です。
関連ツール
WhatIsMyIP
WhatIsMyIPは、Webサイト側から見える現在のパブリックIPアドレスを確認できる検証サイトです。
紹介する理由: VPNやTorなどを使ったあと、接続先から見えるIPアドレスが意図した経路のものに変わっているかを確認する入口になるためです。
Tor Project
Tor Projectは、Tor BrowserとTorネットワークを開発・公開している公式プロジェクトです。
紹介する理由: Torは通信経路を隠す仕組みを学ぶ中心的な実例です。公式サイトでは、Tor Browserの入手、仕組み、利用上の注意を確認できます。
Proton VPN
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